群馬県「再生可能エネルギー・脱炭素化研究開発等助成金事業」

群馬県のGXを加速する 地域資源活用新産業創出プラットフォーム整備 プロジェクト


TF2
Outcome 1

資源循環ハブにおける未利用資源の高付加価値材転換

令和6年度 成果内容

石井・神成グループ

【機能性炭素材料転換】

  • 廃プラ・バイオマスの炭素材料転換装置を製作し、炭素材料転換プロセスの検討を開始しました。
  • 含水率の低いバイオマス(木質チップ、堆肥、プラスチック)を原料として、触媒活性や有害物質分解能力を有する機能性炭素材料の合成を試みました。

含水率の低い未利用資源であるバイオマスを原料として炭素材料を合成し、窒素や鉄等の元素を含む未利用資源を添加物として原料に加えることで、炭素材料の機能化を図りました。

スギ、鶏糞、鉄粉、PVC、塩化鉄を使用した炭素材料の酸素還元反応(ORR)活性評価結果

今年度は原料バイオマスとして、スギ、鶏糞を用い、添加物として鉄粉、PVC、塩化鉄(FeCl3)を使用し、それら原料の組み合わせによって、得られる炭素材料の機能性がどのように変化するのか調査しました。

各原料から合成した炭素試料の電気化学的酸素還元反応(ORR)活性評価結果より、原料ごとにORR活性に差が見られ、スギ、鶏糞、FeCl3 を原料とする試料は高いORR活性を示すことが分かりました。またこの炭素試料はメチレンブルーの分解能力を有することが分かりました。

以上の検討から、環境浄化触媒として機能する機能性炭素材料が未利用資源から得られることを確認しました。FeCl3 は未利用資源から抽出するのはコスト高となると予想されるため、FeCl3 を代替する未利用資源の探索を今後進めるとともに、今年度検討できなかった他の資源の炭素化実験も進める予定です。

keyword:バイオマス / PVC / 酸素還元反応(ORR) / 触媒 / メチレンブルー

板橋グループ

【⼟壌改良剤転換】

  • 土壌改良材製造のための高速発酵機の設置しました。
  • 廃菌床、米糠、おからを原料にした土壌改良材製造のためのレシピの検討を行いました。

群馬県吉岡町に設置した高速発酵機

廃菌床、米ぬか、おからを原料にした土壌改良剤

群馬県内から排出される未利用バイオマスとして、廃菌床、米糠、おからを選定し、これらを原料にした土壌改良材のレシピを検討しました。

小型発酵機を用いた検討結果から、廃菌床、米糠、おからをそれぞれ重量⽐1:1:1で混合し、種菌を投入後、4 日間好気条件で発酵、3 日間乾燥させたものを土壌改良材として製造しました。

左写真にある高速発酵機を吉岡町に設置し、製造するための原料投入量等の調整を⾏った結果、1週間あたり275kg の割合で順調に製造できることを確認しました。

keyword:バイオマス

橘グループ

【バイオプラスチック変換】

  • 県内産未利用バイオマスからのフラン類への変換条件の検討を行いました。
  • フラン類からのバイオプラスチック変換技術の検討を行いました。

群馬県内廃棄バイオマスを用いたフラン誘導体生産可能性検討内容

県内産未利用バイオマスとして、醬油搾りかす・キノコ栽培廃菌床に加えて、トウモロコシの芯・パーム椰子廃材を関連企業と交渉して入手しました。

フラン類のフルフラール生産法としては、現状の工業生産方法である硫酸法を選択しました。

一方で、過去のフルフラール定量法は蒸留された水との混和物からの解析であり、残渣固形物に含まれているフルフラールの定量は不十分であったため、新規分析手法として、溶媒での抽出と内部標準法による1H NMR 定量方法を確立しました。

その結果、トウモロコシの芯からは理論収量を元にすると32%の収率で生成することが判明しましたが、これは大規模生産での理論収率を超えており、本手法がラボレベルの評価方法として適切であることを示しています。

現在は、本手法を用いて、醬油搾りかすなど県内産バイオマスからの合成を検討しています。


フラン誘導体を用いた材料開発

また、フラン類のカップリングによる機能性ビフラン化合物を合成時の効率向上のため、試薬量などの詳細検討を⾏いました。その結果、n-BuLi を用いたプロトン引き抜きにおいて異性体が生成することを見出したため、収率としては100%が困難であることを明確にしました。

合成したビフラン化合物を用いて、特異な光物性を有するポリエーテルケトンや全芳香族高分子、さらには易解体性接着剤の創製に成功しました。

keyword:フルフラール・ビフラン化合物 / バイオマス

RESULTS

令和6年度 成果報告

令和7年度 成果報告

令和8年度 成果報告

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