含水率の低い未利用資源であるバイオマスを原料として炭素材料を合成し、窒素や鉄等の元素を含む未利用資源を添加物として原料に加えることで、炭素材料の機能化を図りました。
今年度は原料バイオマスとして、スギ、鶏糞を用い、添加物として鉄粉、PVC、塩化鉄(FeCl3)を使用し、それら原料の組み合わせによって、得られる炭素材料の機能性がどのように変化するのか調査しました。
各原料から合成した炭素試料の電気化学的酸素還元反応(ORR)活性評価結果より、原料ごとにORR活性に差が見られ、スギ、鶏糞、FeCl3を原料とする試料は高いORR活性を示すことが分かりました。またこの炭素試料はメチレンブルーの分解能力を有することが分かりました。
以上の検討から、環境浄化触媒として機能する機能性炭素材料が未利用資源から得られることを確認しました。FeCl3 は未利用資源から抽出するのはコスト高となると予想されるため、FeCl3 を代替する未利用資源の探索を今後進めるとともに、今年度検討できなかった他の資源の炭素化実験も進める予定です。
研究内容1:県内廃棄バイオマスを用いたフラン誘導体生産可能性の検討
【課題】含有成分の違いによる副反応の可能性 / ヘミセルロース・セルロース含有量
県内産未利用バイオマスとして、醬油搾りかす・キノコ栽培廃菌床に加えて、トウモロコシの芯・パーム椰子廃材を関連企業と交渉して入手しました。
フラン類のフルフラール生産法としては、現状の工業生産方法である硫酸法を選択しました。
一方で、過去のフルフラール定量法は蒸留された水との混和物からの解析であり、残渣固形物に含まれているフルフラールの定量は不十分であったため、新規分析手法として、溶媒での抽出と内部標準法による1H-NMR定量方法を確立しました。
その結果、トウモロコシの芯からは理論収量を元にすると32%の収率で生成することが判明しましたが、これは大規模生産での理論収率を超えており、本手法がラボレベルの評価方法として適切であることを示しています。
現在は、本手法を用いて、醬油搾りかすなど県内産バイオマスからの合成を検討しています。