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TF2 Outcome 1

資源循環ハブにおける 未利用資源の高付加価値材転換

石井 孝文   神成 尚克   板橋 英之   橘 熊野

研究内容
令和6年度 成果
令和7年度 成果

令和7年度 成果内容

石井・神成グループ

WP 2-1-1【機能性炭素材料を合成するプロセスならびに炭素材料の用途検証】

廃プラ・バイオマスの転換によって得られた炭素材料の触媒特性を調査し,酸素還元活性と有機物分解特性を有することを確認しました.また特性向上を目指し,転換条件の検討を開始しました.

本研究では、含水率の低い未利用資源であるバイオマスを原料として、触媒活性を有する機能性炭素材料の創出を目指しています。また、窒素や鉄等の元素を含む未利用資源を添加物として原料に加えることで、炭素材料の機能化を図っています。

今年度は原料バイオマスとして、スギや鶏糞等の未利用資源を用い、それらの組み合わせや処理条件の最適化により、高い触媒活性を有する炭素材料の創出に成功しました。特に、一部の組み合わせにおいては電気化学的酸素還元反応(ORR)に対して高い活性を示し、環境浄化触媒として有望であることを確認しました。

さらに、本研究では炭素材料の生成過程における副生成物の分析も進めた結果、ガス成分や液体生成物の組成に関する知見が得られました。これより、未利用資源の有効利用を炭素材料の創出のみに留めず、副生成物も含めた包括的な資源利用プロセスの検討に着手し、未利用資源の完全利用に向けたプロセス設計の基盤が構築されつつあります。

加えて、本検討で創出された触媒活性を有する機能性炭素材料については、新規性および応用可能性が認められたことから、現在知的財産化を進めています。

今後はさらなる性能向上およびプロセス最適化を進めるとともに、未利用資源の種類拡張やスケールアップ検討を行い、実用化に向けた研究開発を推進する予定です。

板橋グループ

WP 2-1-2【コメの収量と品質に与える土壌改良材の効果検証】

沼田市で排出された給食残渣を用いて土壌改良材を作成し,コメの育成に与えるえ影響を評価しました。


本試験では、小型発酵機を用い、給食残渣と以下の副資材を1:1(重量比)で混合して3 種類の土壌改良材を作製しました。

これら土壌改良材を土壌に対して重量比0.125%添加し、水稲のポット栽培試験を実施しました。


得られた収量および千粒重の測定結果では、無添加の対照区(BL)と比較すると土壌改良材を添加した各試験区において、収量および品質(千粒重)の向上が確認されました。特に、給食残渣と米ぬかを混合した「試験区A」において、最も良好な結果が得られました。

以上の結果より、給食残渣を原料とした土壌改良材は、水稲栽培において収量および品質向上に寄与する可能性が示唆されました。

橘グループ

WP 2-1-3【県内産未利用バイオマスを活用したフルフラール合成 および高機能材料の開発】

地域由来の多様な廃棄物から、高付加価値な化学品を効率的に生産・回収できることを実証しました。

本研究では、県内産の未利用バイオマスを原料としたフルフラールの合成・単離手法の確立、およびそれらを活用した高付加価値材料の開発を目的としています。

まず、合成プロセスにおいて、実験室レベルで簡便に実施可能な手法を確立しました。併せて、従来の測定法よりも高精度な評価系を構築しました。

次に、各種未利用バイオマスを用いたフルフラール生産の適応性を検討しました。その結果、食品廃棄物のみならず、林地残材や繊維産業廃棄物を含む全ての試料からフルフラールの生成を確認しました。これにより、地域由来の多様な廃棄物から高付加価値な化学品を効率的に生産・回収できることを実証しました。



また、フルフラールを原料とする機能性材料の開発を展開しています。具体的には、耐熱性ポリイミドポリウレタン、電子材料部材として利用可能な全共高分子を開発しました。

具体例として、フルフラール由来のビフラン含有ポリケトンを用いたpH応答性コーティング剤が挙げられます。フリーデル・クラフツ重合により合成された本材料は、優れた耐熱性と高硬度(鉛筆硬度5H)を併せ持ちます。最大の特徴は、酸・塩基に反応して可逆的に変色するハロクロミズム特性で、次世代のスマート材料としての有用性が示されました。